治療費打ち切り・交通事故保険会社のしくみ

交通事故に遭い、通院をしていると、任意保険会社から「治療費支払いの打ち切り」を宣告されることがあります。

これを、治療を終了しなければならないという意味と捉える方がいらっしゃいますが、それは違います。

任意保険会社がそれまでしてきたのは「治療費の立て替え払い」といえます。(これも正確な意味ではないように思いますが)

交通事故に限らず、損害を受けた被害者は、その損害が拡大することのないよう、努力しなければなりません。

つまり、後遺障害が残らないようにとか、今の症状が回復に向かうように、努力する義務が課せられています。

逆に、必要以上の通院等を重ね、経済的支出を過剰に行い、治療費と言う経済的損害を拡大するのもダメですが。

損害を拡大するな、という規定は、任意保険会社のいう、多くの「決まり(社内基準)」とは違い、実は、民法という法律に規定があります。

よって、必要があるなら、必要な治療を続けることは、被害者の義務と言えます。

治療を中断し、後遺障害が残るなどの事態を招いた場合、それは、被害者の責任と言われかねない可能性すらあります。

また、損害の賠償は、損害が確定した時に行われるべきものですから、治療費、という損害が発生した場合、それをすぐに支払うのは、本来、加害者側の義務と言えます。

もっとも、必要な治療であるかどうか、疑義がある場合は、そうとは言えません。

疑義があるかも知れないしね、という考え方が、この治療費の打ち切り宣言の根拠となっているのかも知れません。

とはいえ、必要な治療かどうかは、医師が判断すべきことであり、加害者や任意保険会社が判断することではありません。

治療費支払いの打ち切り、と誤解を呼ぶ言い方で、治療費の支払いを拒んできた場合は、治癒や症状固定をしているのかどうか、医師の判断を仰ぎ、必要であるならば、自らの保険証を使ってでも、治療を続けるべきと言えます。

極端な保険会社は治療費支払いどころか「治療の打ち切り」とまで言ってきます。大切なことを略しすぎですね。

被害者が負担した治療費は、示談の際に、加害者側任意保険会社から、支払いを受けることができます。

ただし、10年間、毎日病院に通ったなど、とても必要とは思えない治療の場合は、症状固定はずいぶん前にしていたよね、という判断が下り、症状固定日までの治療費のみの支払いとなることはあります。

医師は、本人が必要だと言えば、診療を断れない、という事情もありますしね。

通常は、常識的な範囲内であるなら、そんなに問題はおきないかと思います。

もっとも、任意保険会社から、医師に、濃厚診療ではないか、と、プレッシャーをかけてくることもあり、始末に負えない部分はあります。

そういう時に、医師が毅然とした態度をとってくれればいいのですが「痛いって言われたら断れない」みたいな言い訳をされてしまうと、ちょっと辛いです。

今まで、一番酷かったのは、治療の打ち切りを宣告し、後遺障害認定のシステムすら被害者さんに伝えず、一方的に傷害部分だけでの示談に持ち込もうとされた事案。

傷害部分の賠償(任意保険からの支払い)も、自賠責傷害部分上限120万より、微妙に少ない額に抑えられていました。

つまり、任意保険からの支払いを一切拒絶したのと同じです。保障のみで、賠償はないのと一緒です。

それでも、その程度はよくあるとしても、この時、もっと悪かったのは、被害者さんが「治療の打ち切り」をその通りに捉えて、通院を止めてしまったことです。

その後、後遺症に耐えきれず、通院を再開し、その後、後遺障害認定の手続きへ、ということになりましたが・・・。

交通事故被害者が、一番やってはいけないことの一つは、治療を中断することです。これは、裁判以外に覆す方法がありません。

示談後、間をおいて認められる後遺障害もありますが、その多くは「脳」に関するものであり、むちうちのような神経症状には有り得ません。

ここの記載に限らず、治療の初期段階から、罠は随所にちりばめられています。

後遺症の可能性が「ゼロ」であるなら、ことさら専門家の助けは要らないかも知れません。

しかし、少しでも不安や疑問があるなら、交通事故の専門家を利用してみてください。


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