当サイトには交通事故被害者さんに
・無料で提供できる部分はすべて提供する
・その上でご信頼いただけたなら有料サービスをご依頼いただく
・依頼いただいたなら、当事務所の尽力により、交通事故を過去の「今となってはいい思い出」としていただく
を理念に運営しています。
とはいえ、うまく各ページに振り分けられなかったことや、メールや電話、事務所でのご相談の中で、これは多くの交通事故被害者さんに共有していただくべき相談事例ではないか、と思ったことを『よくある相談』としてまとめています。
日本は、どんな手続きも、こちらから申請や、要求をしないと、何も起きず、場合によってはその権利すら消滅するシステムとなっています。
交通事故被害者として取るべき手続き、取れる手続きを知っていただき、行動を起こす際のパートナーに、もしかして当事務所を選んでいただけたら、それはとてもうれしいことですし、もし、当事務所をお選びいただけなくても、あなたの損害が回復されれば、この『交通事故被害者相談駆け込み寺』を開設し、これにまさる喜びはありません。
ここでは主に『交通事故解決による後遺障害』についてのよくある相談をまとめています。
入通院期間中だけを考えると、一括払い(任意保険会社が、自賠責分も含めて立て替えてくれる)の方が、楽です。
しかし、後遺障害認定を考えた場合は、被害者請求をするべきです。
よって、症状固定までは、一括払いとしておき、後遺障害認定の手続き部分は、被害者請求で、というのが、被害者さんにとって、最も負担とリスクの少ない手順と言えます。
ただし、被害者の過失が大きい場合は、一括払いが受けられないこともあり、その場合は被害者請求を行い、入通院時の時から、その治療費を自賠責保険から受け取っておくべきと思います。
被害者請求にて後遺障害が認定された場合、先に自賠責保険分が被害者さんに直接支払われますので、残りの損害についてじっくりと任意保険会社と交渉することもできますし、時間をかけて紛争処理センターの利用もできますし、場合によっては、自賠責保険分を弁護士費用に充てて、本格的に戦うこともできます。
なお、被害者請求の時効について、被害者請求権は、傷害による損害については事故日より、死亡による損害については死亡日から、後遺障害による損害については症状固定の日からそれぞれ3年(昔の事故は2年)で時効により消滅することになっているので、注意して下さい。
時効中断の手続きは、保険会社備え付けの2枚複写の時効中断申請書を記入、1枚を提出すれば足ります。
後遺障害の認定については、一括払いのままですと、任意保険会社で手続きをする「事前認定」の手続きがとられることになります。
後遺障害が認定されても、示談がまとまるまでは、後遺障害部分の賠償が全くされないばかりか、次のリンク「諦めかけたむちうち」にあるようなリスクを負うことになります。
この後は、異議申し立てをしたとしても、要らぬ手を打たれてしまっていることもあり、認定は極めて困難となります。
後遺障害等級表に無い後遺症が残ることがあります。
その場合は、後遺障害は認定されないのでしょうか。
そんなことはありません。
後遺障害については、障害の部位や程度を分類して、後遺障害別等級表に規定しているにすぎません。
なので、この後遺障害等級表に規定されている障害以外の障害で、部位、程度が各等級の障害と同程度と認められるものについては「相当する」等級を認定することになっています。
例えば、事故によって、両側の睾丸を失った人の後遺障害の等級については、後遺障害等級表によって第7級が認定されることになっていますが、後遺障害等級表には片側の睾丸を失ったものについての規定はありません。
ですが、後遺障害等級表に規定されている、いないに関係なく、後遺障害があることは事実なのですから、このような場合には、第11級「胸腹部臓器に障害を 残すもの」に相当する障害として、後遺障害別等級第11級として認定されることとなります。
何が何に当てはまるのかは、ちょっとわかりにくい部分がありますので、どれがなにに相当しますか? と聞かれても、それはちょっと困ります。
眼に後遺障害が残った場合、どこまでの後遺障害だと、運転ができなくなってしまうのでしょうか。
免許別に、視力の合格基準を掲載しておきます。
原付免許、小型特殊免許
両眼で0.5以上。
一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.5以上。
普通第一種免許、中型第一種免許(8t限定中型)、二輪免許、大型特殊免許
両眼で0.7以上、かつ、一眼でそれぞれ0.3以上。
一眼の視力が0.3に満たない方、若しくは一眼が見えない方については、他眼の視野が左右150度以上で、視力が0.7以上。
大型第一種免許、中型第一種免許(限定なし)やけん引免許、第二種免許
両眼で0.8以上で、かつ、一眼がそれぞれ0.5以上、さらに、深視力として、三桿(さんかん)法の奥行知覚検査器により3回検査した平均誤差が2センチ以内。
※運転免許更新時には、適性検査を行いますが、視力がそれぞれの免許種別により異なり、基準に達していない場合は『眼鏡等により矯正』することができます。
※大型免許、中型免許や第二種免許の方、普通一種や自動二輪の方が上記基準に達していない場合は、下位免許にあたる基準に達した普通一種や原付免許等を交付することになります。
後遺障害を獲るとはどういうことですか? という質問がありました。
正確には、獲るというより「認めてもらう」です。
では、誰に認めてもらうのか。
加害者でも、保険会社でもありません。
自賠責保険に認めてもらうのです。
世の中で言われる「後遺障害を獲る」というのは、正確にいうと、
「交通事故によって受けた怪我を原因とする後遺障害の存在を、自賠責保険に認めていただく」
ということになります。
冷静に考えてみてください。
後遺障害があるんだ! と言って、ハイそうですかと、後遺障害に関連する賠償を簡単にする保険会社がいるでしょうか。
いないですよね。
こういう時、通常は、裁判の判決によって後遺障害を認めさせ、賠償を受けることになります。
しかし、交通事故に限っては、後遺障害は自賠責保険が判断してくますし、保険会社は自賠責保険の判断に従います(後遺障害の存在についてのみで、賠償金額の話は別)。
それなら、いきなり裁判などしなくても、まずは自賠責保険に後遺障害を認めてもらえるように努力した方がいいのではないでしょうか? というのが、後遺障害を獲るという表現の趣旨だと思います。
嘘をついてまで後遺障害を認めさせるという風に取れなくもない表現ですが、そういう趣旨は無い・・・はずです。
賠償金や慰謝料だって、交通事故に限らず「取る」って言い方をしますが、本来は、発生した損害を埋めていただく賠償は取るものではありません。
当然にお支払いいただくものです。ただ、損害の立証責任が被害者にあるから、被害者が努力しなければならなくて、どうしても「取る」という感覚になりやすい。
それと一緒なのだと思います。