交通事故賠償の仕組み

 

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もともと、損害を受けた場合は、損害を受けた人がその損害を立証する必要があります。

そのようなルールの中では、被害者の主張が通らないことがあるのは、よくよく理解できると思います。

損害の賠償をしたくない相手方にも、そんな損害を与えた覚えはない、と主張する権利も当然にあるからです。

特に後遺障害や死亡原因など、外見からだけでは判断しづらいものの場合、証拠などで明らかである場合は除けば、加害者側が認めない限り、「被害者がその後遺障害は交通事故が原因であると立証できた」ということにはなりません。

これは、過失割合にしばしば起こることですが、後遺障害や死亡事故でも、後遺障害の存在や発生経緯、死亡ですら交通事故が原因だったのかどうか(因果関係)が争われることがあります。

例えば、交通事故で足を失った場合は、他に目撃者がいるとか、警察の調書等で、まず、人身事故であることを立証する必要がありますよね。

では、それで簡単に足を失ったことに対する賠償が行われるかというと、そうでもありません。

その被害者が糖尿病を患っていたらどうでしょうか。

糖尿病といえば、足が壊死してきた場合、足を失うこともありますよね。

壊死もしていない人であっても、足を失ったのは糖尿病が原因である、だから足を失った分については賠償しない、なんて主張をされることになります。

その場合は、被害者側が、足を失うほどの糖尿病では無かったと、説明する必要が発生します。

極端に言うと、人を轢いて死なせた場合、すでに道路で死んでいた、轢いたのは死体である、交通事故で死んだのではない、って主張することも、自由ではあるのです。

実際に、癌だった人の場合、交通事故を待つまでもなく、放っておいても、この人は死んでいたはずだから死亡の賠償の必要はない、という主張は存在しました。

通常は、それがまとまらなければ、裁判、ということになります。

糖尿病は軽度だったであるとか、死亡時は生きていたとか。

挙げた例のように極端でバカバカしい例であっても、相手が認めなければ、認めさせる方法として、裁判の判決を受けるというのが、一般的な手続きとなります。

しかし、世の中では、裁判という手続きは、お金と時間がかかるという認識が定着しており、一部を除いて、その認識は大きく外れてはいません。

その他に思いつくような方法は、一般的に、逆に被害者側が脅迫等の罪に問われるばかりではないでしょうか。

では、交通事故被害者は、お金と時間をかけなければ、適正な賠償を受けることはできないのでしょうか。

そんなことはありません。

自賠責を利用すれば、少なくとも、加害者側が任意保険に加入している場合、裁判よりも少ないお金と時間、なにより低リスクで損害を立証し、加害者側に認めさせることができます。

ここでは、特に、交通事故と、後遺障害や死亡との因果関係に絞って、自賠責保険のシステムと、メリットについて、説明していきます。

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