「鼻の欠損」とは、鼻軟骨部の全部又は、大部分の欠損をいいます。
鼻の欠損が、鼻軟骨部の全部又は大部分に達しないものであっても、 これが、単なる「外貌の醜状」の程度に達するものである場合は、男性にあっては第14級の10、女性にあっては第12級の15とします。
鼻の欠損は、一方では「外貌の醜状」としてもとらえうるが、耳介の欠損の場合と同様、それぞれの等級を併合することなく、いずれか 上位の等級によります。
鼻の欠損を外貌の醜状障害としてとらえる場合であって、鼻以外の顔面にも癖痕等を存する場合にあっては、鼻の欠損と顔面の疲痕等を併せて、その程度により、単なる「醜状」か「著しい醜状」かを判断します。
鼻の欠損と外貌醜状が併合になることはありません。
「機能に著しい障害を残すもの」とは、鼻呼吸困難又は嗅覚脱失をいいます。
鼻の機能障害は、欠損と共に残っているものが後遺障害ではありますが、機能障害のみを残す場合でも、機能障害の程度に応じて、準用等級が定められています。
イ、嗅覚脱失又は鼻呼吸困難については、第12級の2を準用する。
ロ、嗅覚の減退については、第14級の9を準用する。
嗅覚脱失及び嗅覚の減退については、T&Tオルファクトメータによる基準嗅力検査の認知域値の平均嗅力損失値により、区分します。
嗅覚脱失 5.6以上
嗅覚の減退 2.6以上5.5以下
※嗅覚脱失については、アリナミン静脈注射(「アリナミンF」 を除く。)による静脈性嗅覚検査による検査所見のみによって確認しても差し支えないこととされています。