物損の中でも、全損の場合は、同車種の中で、同程度の車の再調達価格、つまり時価にて賠償されることになります。
この時価は一般にレッドブック(有限会社オートガイド)という本に記載ある価格から導き出されます。
現在では、昔と比べれば、世の中は、インターネット等から多くの価格情報が得られ、この書籍に寄らずとも、時価を導き出すことはできるはずです。
車によっては、レッドブックに記載ある価格では、その車を中古にて買うことなどは出来ない場合もあります。
しかも、現在の中古自動車屋さんの多くは、このレッドブックを参考にしておらず(高いから)、オークションでの価格、ネットでの価格を参考にしています。
正規のディーラーでさえ、自社の基準で運用しています。
しかしながら、裁判では、インターネットが無かった頃のままの判例で時価は評価されており、つまりは、レッドブックの価格での評価を続けています。
多くの判例を見るに、レッドブックが唯一の時価基準というわけでもなく、被害者側の主張がおかしいので、それを否定した際に、裁判所がそれとは別のよりどころとして、レッドブックの基準を用いているようにも見えますが、これが判例として生き続けている限り、話合いの段階で、これを覆すことはできません。
これを覆すには、誰かが、裁判にて、和解することなく、しっかりと判決を受け、レッドブックに代わる時価評価の方法を、判例として確立するしかありません。