1、頭痛
頭痛については、頭痛の型の如何にかかわらず、疼痛による労働又は日常生活上の支障の程度を疼痛の部位、性状、強度、頻度、持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる他覚的所見により把握し、障害等級が認定されることになっています。
「通常の労務に服することはできるが激しい頭痛により、時には労働に従事することができなくなる場合があるため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」は、第9級に該当するとされています。
「通常の労務に服することはできるが、時には労働に差し支える程度の強い頭痛がおこるもの」は、第12級に該当するとされています。
「通常の労務に服することはできるが、頭痛が頻回に発現しやすく なったもの」は、第14級に該当するとされています。
2、失調、めまい及び平衡機能障害
失調、めまい及び平衡機能障害については、その原因となる障害部位によって分けることが困難であるので、総合的に認定基準に従って障害等級が認定されます。
「生命の維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高度の失調又は平衡機能障害のために労務に服することができないもの」 は第3級に該当するとされています。
「著しい失調又は平衡機能障害のために、労働能力がきわめて低下し一般平均人の1/4程度しか残されていないもの」は、第5級に該当するとされています。
「中等度の失調又は平衡機能障害のために、労働能力が一般平均人の1/2以下程度に明らかに低下しているもの」は第7級に該当するとされています。
「通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状が強く、かつ、眼振その他平衡機能検査に明らかな異常所見が認められ、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの」は、第9級に該当するとされています。
「通常の労務に服することはできるが、めまいの自覚症状があり、かつ、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められるもの」は、第12級に該当するとされています。
「めまいの自覚症状はあるが、眼振その他平衡機能検査の結果に異常所見が認められないものの、めまいのあることが医学的にみて合理 的に推測できるもの」は、第14級に該当するとされています。
3、疼痛等感覚障害
受傷部位の疼痛及び疼痛以外の感覚障害については、次により認定することとされています。
・疼痛
「通常の労務に服することはできるが、時には強度の疼痛のため、ある程度差し支えがあるもの」は、第12級とされることになっています。
「通常の労務に服することはできるが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すもの」は、第14級とされることになっています。
・疼痛以外の感覚障害
疼痛以外の異常感覚(蟻走感、感覚脱失等)が発現した場合は、その範囲が広いものに限り、第14級に認定することとされています。
・特殊な性状の疼痛
カウザルギーについては、疼痛の部位、性状、疼痛発作の頻度、疼痛の強度と持続時間及び日内変動並びに疼痛の原因となる他覚的所見などにより、疼痛の労働能力に及ぼす影響を判断して等級の認定を行うこととされています。
反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)については
①関節拘縮
②骨の萎縮
③皮膚の変化(皮膚温の変化、皮膚の萎縮)
という慢性期の主要な3つのいずれの症状も健側と比較して明らかに認められる場合に限り、後遺障害にみあった等級が認定されることとなっています。
頭部外傷後又は中枢神経系(脳及びせき髄)の疾病に起因する失調、めまい及び平衡機能障害は、内耳機能が原因とは限りません。
小脳、脳幹部、前頭葉又はせき髄など中枢神経系の障害によって発現する場合が多いものです。
また、けい部自律神経障害によるめまいも少なくありません。
医師の協力のもと、多角的に原因を探っていく必要があります。